ルイージの小説外伝 2.5 穢れた世界の収束と再生編 第六話
戦闘BGM
チーム1:ルイージ、マリオ、スピネル、シルク
僕と兄さんが左右から拳を叩き込もうとすると、吸血鬼が身の丈ほどの鎌を振るってきた。僕らが間一髪横に避けると吸血鬼が翼をはためかせ飛び上がる。
「空中戦も得意なのは厄介だね…」
兄さんの呟きに僕も頷く。どうにかしてあの吸血鬼を地上へ降ろすかしなければまず攻撃は届かないだろう。吸血鬼は下から様子を眺める僕らに対しクスリと微笑みを見せた。そして天に手を掲げ、人差し指で円を描くとそこに黒い魔法陣が現れる。咄嗟に防御の構えを取る僕らに対し、吸血鬼は魔法陣をそのまま人差し指でこちらに向けると魔法を放ってきた。
「かまいたち!!」
「シルク!」
「スピネル!!」
「疾風 ≪ガーレ≫!!」
「っ!」
足払いを掛けられた僕は体制を崩し地面に尻餅をつく。慌てて兄さんが僕の腕を取り引っ張って立ち上がらせようとするも、吸血鬼が兄さんを蹴り上げた為に後ろに下がる形となった。
「ル、ルイージ…!」
スピネルが心配そうに声を掛ける。それと同時吸血鬼が真正面から僕に乗っかり鎌を頭上へ振り上げた。このまま振り下ろされれば間違いなく顔面が真っ二つに割れるだろう。逃げられないという恐怖に思わず冷や汗が垂れる。兄さんが走り向かってくるがあの距離じゃ確実に間に合わない。吸血鬼が振り下ろそうとした瞬間、吸血鬼の胸に白く輝く光線が貫かれた。ゆっくりと光線が放たれた方を向くとシルクがしたり顔で吸血鬼に向かって指差していた。
「ホーリー」
そうシルクが告げた瞬間、吸血鬼が声にならぬ断末魔の悲鳴をあげた。僕の上から転げ落ち悶え苦しんでいる。その様子を少し恐怖しながらシルクの方に振り向くと、今のうちに離れなさいという様な目線が帰ってきた。すかさず立ち上がり兄さんの下まで離れると悶え苦しんでいた吸血鬼がピタリと動きを止めた。そしてザラザラと音を立てて砂となって散っていった。
「…まさに、吸血鬼ね」
その様子を見てシルクがポツリと呟く。呆気なく終わりを告げた戦闘に少し戸惑いを感じずつも四人で座り込む。流石に短時間といえど、ずっと詠唱し続けたり、動き回ったりで疲れは溜まり、加えて今までの疲れも一斉に押し寄せてきた。
「疲れちゃった…」
「だねぇ」
スピネルのため息交じりの呟きに兄さんが苦笑いで答える。その様子にシルクがクスリと微笑み口を開いた。
「あらあら、こんなのまだまだ序の口なんじゃない?ここでへこたれていたら先が思いやられるわねぇ」
シルクの嫌味の混じったもっともな言葉に三人一斉に苦笑いが漏れる。確かにその通りだ、ここでへばっていては先に君臨している黒魔女には敵いっこない。
「そうだね…本番はここからだ」
兄さんの言葉に全員で真剣な表情になる。僕は、この先の試練に唾を飲み込んだ。その様子を見て兄さんが口を開いた。
「さぁ、とりあえず休憩してから入口へ戻ろうか!」
その宣言に、皆が笑顔で頷いた。
続く
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吸血鬼戦終了で御座います!(`・ω・´)
今回も挿絵と戦闘BGMをつけてみましたー!
いかがでしょうか?
次回も是非楽しみにしていてください!
ルイージの小説外伝 2.5 穢れた世界の収束と再生編 第五話
戦闘BGM
「………いらっしゃいませ?」
そう言って首を傾げた彼女は地面に落ちていた大きな鎌のような物を持ち上げる。恐らく彼女の武器だろう。その様子を見た僕らはそれぞれ戦闘態勢に入った。
「君が…黒魔女の使役する吸血鬼かい?」
兄さんが恐る恐るそう尋ねた。大して彼女は深く頷くとニコリと微笑み話し出す。
「うん、そうだよ。僕、君たちのことをずっと待ってたの。茸人の血ばっかり飲んでたら飽きちゃっていたところなんだ」
薄い笑みと口調から感じ取れる嬉々としている様子の彼女に僕と兄さんは思わず唾を飲み込んだ。スピネルも僕の後ろに隠れながら怯えた様子で吸血鬼を見ている。シルクに関してはたいして恐がりも震えもせず堂々と戦闘に立っていた。流石魔女の血が通っている人なだけある。
「…シルク、どう攻撃するの?」
「決まってるでしょ?あの吸血鬼は典型的な吸血鬼。つまり日光、光が苦手なわけ。つまり私が光属性の魔法を与えられれば即死よ」
僕がシルクにこっそりと尋ねると、早口で返事が返ってきた。顔から少し冷や汗が出てる感じを見ると相手の吸血鬼も相当な戦闘力を持つのだろう。続いて兄さんが光属性の魔法について尋ねると、難しそうな顔をしてシルクが答えた。
「実は詠唱に結構な時間を有するのよね………」
ため息をつきながら答えるシルクにどのくらいの時間が掛かるのかと聞くと、早くて10分。詠唱を速める魔法をスピネルが重ね掛けしてくれるなら最低でも五分で詠唱が完了するのだそうだ。
「…なかなかの難題だね…」
「…でも、それで五分で片がつくのなら儲けもんよ」
僕のため息交じりの呟きにニヤリとしながらシルクが返事を返した。確かに、ここでやらねばもっと時間が掛かるようになってしまう…。けど、僕と兄さんだけで五分もの時間を稼ぐ事が出来るのだろうか…?そんな不安ばかり頭の中によぎらせていると、ふと下から声が聞こえた。
「……ルイージ」
それは兄さんの呼びかけだった。兄さんの呼びかけに俯いていた顔を少しあげるとニッコリと微笑まれた。
「僕達、二人揃ってマリオブラザーズだろ?一人じゃ無理かもしれないけど、僕ら二人ならなんだって出来るさ!今までだってそうだっただろ?僕らに不可能はない!…だから後ろ向きに考えるのをやめよう。前を向こう!」
兄さんが両腕を広げ力説をする。僕は初めはぽかんとしていたが、次第に拳に力が入る。そうだ、今僕の側には確かに兄さんがいる。今までだって兄さんと共に幾つもの試練を乗り越えて来たじゃないか!そうだ、だって僕達はーー
「だって僕達は…マリオブラザーズだもんね!」
四人全員がやる気に満ちた笑顔になる。そうだ、やろう。必ず成功出来るから。
「ねぇ、お話終わった?僕、凄く暇」
退屈そうにそう僕らに問いかけた吸血鬼の方を見て、僕らはニヤリと笑う。
「えぇ、始めましょう。貴方も退屈でしょう」
「うん、久々に思い切り運動させてもらうよ!」
「私も…頑張る…!」
「あぁ…行くぞ!」
皆の掛け声が終わると同時にスピネルとシルクがそれぞれの役割に合った詠唱を始める。それを見た僕と兄さんがそれぞれ左右に分かれてダッシュに相手に近づく。
「おいで…纏めて一人残らず吸い尽くしてあげるから…!!」
吸血鬼は恍惚の笑みで嬉々としてマントを脱ぎ捨て黒い翼をはためかせた。そして向かってくる僕達に応戦すべく、鎌を構えて紅い目を光らせた。
続く
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今回から挿絵と戦闘BGMなるものを追加しました。
聞きながら見るとより楽しんでもらえると思います。
また、戦闘BGMのリンク先に許可は得ておりません。
違反になるのであればリンクを削除し、曲タイトルだけを上げようと思います。
それでは、ここまで閲覧頂きありがとうございました。
ルイージの小説外伝 2.5 穢れた世界の収束と再生編 第四話
チーム3:グランルイージ、チビ・ゆき
「……さて、どうするの?」
「どうするもどうも、うちらは既に答えが分かってるからなぁ…」
面倒くさそうな顔で頬をかくチビちゃん。僕等は今何処へも行かずに入り口に待機している。そもそも僕等二人のチート組がチームを組んだのは、今さっきチビちゃんが言った通りもう既に犯人が分かってしまっているからである。そして、犯人が分かっている事により僕等は犯人に直接対決を挑む事にしたのだ。この事はこの世界の兄貴とディメーンの野郎にしか話してない。二人とも上手く立ち回ってくれると良いんだけど。
「…なるべく黒魔女はこっちで処理したいからね…」
チビちゃんの言葉に僕は頷く、同時に扉に手を掛け大広間への扉を開いた。
彼女はいた、黒魔女と呼ばれ恐れられている彼女が。僕等の怒りの沸点を軽く飛び越えるぐらいの彼女のねっとりとしたカゲの女王にも似た笑い声。全てを見下すようなその目つき。彼女は僕達を見るとほくそ笑みながら声を掛けてきた。
「やっと来たのか?あまりに遅すぎて待ちくたびれたわ。待ちくたびれすぎて、玩具で遊ぶのも飽きちゃった」
そう言って彼女が取り出したのは見覚えのある赤い帽子。ニヤリと微笑む彼女に僕は思わずピクリと目を動かすが、それ以上は何も行動を起こさずにいた。相手は明らかにこちらを挑発している、ここは乗るべきではない。
「さて。チビ・ゆき、ルイージ・グランカート。憎き光の世界に住む堕天使と殺しの血を持つ運命(さだめ)の者よ。貴様らに我が殺せるとは思うておらぬが…相手ぐらいはしてやろう。さぁ、かかってこい」
両手を広げてこちらを狂気的な笑みで見る彼女に、僕等は共に常人なら恐怖で身をすくめるだろう程度の笑顔を見せた。そしてその笑顔のまま僕等は武器を構える。
「お前絶対ぶっ殺してやるから覚悟しろ」
ドス黒く低い声で響いたその声と共に、僕等の
赤黒く輝く血にまみれた狂喜乱舞の戦闘が開始された。
続く
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私とうちのルイージが口悪くて
マジイメージ崩壊スマセンと言いたい←
(もはやイラストの時点で色々ルイージじゃないから大丈夫じゃね?とか思っちゃってる)←
そして毎回微妙に短くてすいません(´・ω・)
マリオの動画宣伝
スーパーマリオのゆっくりクトゥルフ神話TRPG【part0】 ‐ ニコニコ動画:GINZA
珍しく動画の宣伝で御座います。
私が作ったわけではありませんが、最近投稿されたものですごく面白かったので、マリオファンとしては皆に伝えたくここに宣伝させてもらいます。
完結済みです。
動画主から許可を得ているわけではありませんので、もし違反であればすぐに削除の処置を取らせていただきます。
皆様も是非、マリオ達とともにクトゥルフ神話の世界を楽しみませんか?
ルイージの小説外伝 2.5 穢れた世界の収束と再生編 第三話
チーム2:セキリュウ、シロスケ、ラン、ディメーン
「見よ!ディメーン!部屋ん中真っ赤っかだよ!!」
「君の目も真っ赤っかに爛々と輝いているから部屋の中が真っ赤っかなのが良くわっかんないなぁ〜♪つーか落ち着こうよ」
「無理!これは落ち着けないよぉ!」
…………なんとも濃い奴らが集まったものか…。シロスケはまだ大人しいから良いとして、このランという違う世界のシロスケはなんとも子供っぽいというかなんというか…。まさにガキとはこういう奴を言うのではないのだろうか?ディメーンはディメーンで普段子供のお守りをして慣れているのか疲れている様子を一切見せずランに付き合っている。まぁよくやるものだ。…しかし一つ二人に対して気になることがあったりする。
「どーしたのー?セキリュウにシロスケー?ずっと黙ってたらつまんなくなぁい?」
ずっと考え事をしていたらいつの間にかランがこちらを覗き込んでいた。ディメーンもランの後ろからどうしたの?という風に首を傾げて私とシロスケを見ている。「別に、なんでもないよ」と素っ気なく言うシロスケに対し、私はその考え事の原因をぶつけることにした。
「少し疑問に思ったことがあってな」
「疑問〜?」
「お前たち二人は何がどうなってカフェテリアなんぞを経営することになったんだ?」
首を傾げて言うランにその疑問をぶつけると、ディメーンがそのことかと納得したようにくすりと笑う。ランはなんだそんなことかという風にため息をついて見せるとバサッと布着ひ広げて「ではでは教えましょう!」と声高らかに答えてみせた。
「事の始まりはボクでね、ベビィ達を育てる代わりにボクらの世界では観光地でもある星降る丘にカフェテリアを経営させてもらう事になったんだ」
「なんでまたそのような事を?」
「反省した、というのもあるけどね。この世界に住むにはそれなりの貢献をしたほうが住みやすいと思ったんだ。これでも世界を滅ぼそうとした道化師だからね、簡単にはのうのうと住むわけにはいかないだろう?」
苦笑いでそう答える彼の顔に私は嘘の気配は全く感じられず、代わりに優しい気配が見え出ていた。本当にこの道化師は反省をしてキノコ王国の観光地で貢献しているのだろう。その言葉に、嘘偽りはないと私は信じてみる事にしよう。
「で、ランはどういう経緯で知り合ったんだ?」
「ぼくはね〜…ちょーっと複雑なんだけどさ」
「一人…というかやんちゃベビィ達を世話しながらカフェテリアを経営するのはなかなか難しくてね。これまでヒゲヒゲ君に敵対していた敵さん達に声をかけたんだよ。一緒にカフェテリアで働かないかってね。そのお陰で今はナスタシアにマネーラ、カゲ三人組にカゲの女王。他にもたまにいろんな人が来てくれてるよ。たまぁにクッパJr.君もね。で、いっちばん最後まで頷かなかったのが、今では皆勤賞のランってわけ」
「…では、ランが働く事になったのは」
「そ、一番最後ってわけ」
ディメーンが困ったような笑顔でそう答えると、ランがバツの悪そうな顔でぷくりと頰を膨らませる。それを見てディメーンがよしよしとランの頭を撫でる姿はまるで親子のようだ。しかし…そんな強情な彼をどうやってディメーンは店へ呼びこめたのだろう……。
「ま、結局コーヒーで釣れたんだけどね」
「美味しかったの」
結局それなんだな。やはり食い物で釣ったんだな。
「さて……ついたな」
「ンッフッフー♪ここが一番奥の部屋のようだねー♪」
「……開けるぞ?」
シロスケの問い掛けに三人で頷く。その頷きに薄く笑ってシロスケが扉を開いた。そこに広がっていたのは変わり果てただだっ広い会議室の様な場所。机にはキノピオの残骸や血が至る所に飛び散っている。その楕円の机の一番奥に座っている女性。
「あらーん?4名様ごあんなーい?」
ライとレイにも似たその口調。背中に生えた黒い翼。白いワンピースに茶色の長髪ポニーテール。ヒラヒラ振る手に飛び散っている赤黒いそれ。
本能が叫んだ。こいつが危険な存在であり、黒魔女が使役している悪魔そのものという事を。
続く
ふっかぁぁぁぁつ!!
いよいよ…
私が…
復活
いたしましたよぉおおお!!!!
さてさて、これからもよろしくお願い致しますよ!(`・ω・´)
ルイージの小説外伝 2.5 穢れた世界の収束と再生編 第二話
チーム1:ルイージ、マリオ、スピネル、シルク
「さてと…私達が進むのはこの右側の廊下ね…」
私は伸びをしながらそう言って廊下を指差した。チビちゃんが言うにはこの城は3つのエリアに分かれており、一つは真っ直ぐに進んだ大広間の先。一つは左側の廊下、ラストは私達がいるこの右側の廊下だ。ルイージがコクリと頷き薄暗い廊下の先を見やる。
「…なかなか広いね。ピーチ城…こんなに広かったっけ?」
「大方魔法でしょう?なんせこの先にいんのは…」
「…魔女」
ルイージの問い掛けにもっともらしく答えると、続いてスピネルが苦々しい単語を口にした。それに続いて私とルイージ、マリオも顔を顰めて見せる。そう、この先に待ち受けるのは黒魔女。チビちゃんが言うに、胸糞悪い性格をした魔女だそう。吸血鬼の女と悪魔の女を従え、色んな世界をことごとく混乱へ陥れてきたそうだ。そんな魔女ともしかしたらこの四人で対峙するかもしれない、そうだと想像するだけで背中に悪寒が走った。
「…でも、立ち止まっていても仕方がないのは確かだと思いますよ」
沈黙の中、マリオさんが声を上げた。ヒーローらしい、力強い声。その声に私達三人は顔を見合わせて頷きにこりと微笑んだ、少し歪な笑顔だったかもしれない。そんな不安も、マリオさんの精一杯の笑顔で消えていった。
………………………………………………………
「…それにしても」
私のその言葉に皆が頷いた。スピネルなんかさっきから倒れそうにばかりなっている。それもそのはず。そんな豪勢な部屋も、キノピオの血や臓物で赤く染め上げられているからだ。如何にも部屋でゆっくり談笑している時に食い散らかされたかのようなぶちまけ方。中には首から上だけがなく机に座ったままの身体なんてものもあった。これらには私も参った。いくらなんでも正気でいられるものじゃない。それはマリオとルイージも同じらしく、たまに口元や目を塞いで堪えている時もあった。
「…こんなのがまだ続くのなら…そろそろ耐えられないぞ…」
吐き気が治まったのかやっとルイージが声を上げた。そらそうだという風に苦々しい顔で頷いて見せると少しばかりの笑みを浮かべてみせた。
いよいよ一番奥の部屋だ。何が待ち受けているかは分からない。それでも、何があろうとこの扉を開けなければならない。
「…開けるよ?」
マリオの問い掛けに三人でゆっくりと頷く。ここまできたら行くしかないからだ。
「………っ」
口元を押さえながらマリオが扉を開けた。その部屋…いや、キノピオ達の休む憩いの広間であっただろうその赤黒く染められた部屋の中心にいたのは…。
「………いらっしゃいませ?」
茶色いマントを羽織った、真っ赤な目の女だった。
それも、口元やマントを赤黒い臓物や返り血で染めた。
続く
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うぅぅぅぅ!
僕ちゃんふっかぁぁぁぁつ!!←