チビ・ゆきのルイージの小説外伝

ルイージの小説外伝の置き場

ルイージの小説外伝 2.5 穢れた世界の収束と再生編 第十一話

怒りに任せて威圧たっぷりに放った言葉に、周りの皆がその場で時を止めた。
こんなに殺気を放つのはいつぶりだろうか。
あぁ確か、アンダーグラウンドを追放された時もこんな感じで殺気を放ったっけな。

愛しき君よ、何故僕を見据え立ち塞がるのか。
もう貴女の意識は奥の彼方へ消えてしまったのか。

 


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少し、僕の話をしようか。

ずっと昔の事だ。
僕がまだ黒の魔法使いとしてアンダーグラウンドで暮らしていた頃、仲の良かった幼馴染みが居た。
彼女とは物心ついた時からずっと仲が良くって、毎日遊んでいたんだけれど。
彼女と違って僕は出来損ないだから。
親の関係で彼女とは段々疎遠になった。
出来損ないというには語弊があって、魔法なんてなんでも扱えたのだけれど。
そもそもどんな魔法でも扱えたのがおかしかったのだ。
中途半端に何でもかんでも使えて、彼女には器用と言われたけれど。
他の人にとっては出来損ないに等しかったのだ。

いつしか僕を毛嫌いする奴らは広がり、僕の居場所が亡くなってきた頃。
僕は初めて禁忌とされた狭間の魔法を使い、外の世界を見た。
その王国の美しく咲き乱れる花々の綺麗なこと!
映える綺麗な青空にさえずる小鳥たちの可愛らしい歌声。
どれも殺伐としたアンダーグラウンドにはないもの。
その王国は僕の心を惹き込み、次第に僕はその王国に何度も遊びに行くようになった。
だがある日狭間の魔法を使い外の世界に行っている事が両親にばれた。
焦る僕を見て呟くのはいつものセリフ。
「やはりお前は出来損ないのクソッタレだ」と、「産むんじゃなかった」と。
その内話は大事になり僕はアンダーグラウンドから狭間の世界へ、2度と戻ってこないようにと強力な魔法で醜い道化師の姿に変えられ放り出された。
最後まで聞こえていたのは、幼馴染みのなにかしらの必死の叫び声だった。

そこから色々あって時を越えて、ヒゲヒゲ君達にやらかして僕は死んで冥界に行ったのだけれど。
誰の慈悲かまだ死亡にはなっていなくって、幽体離脱状態で来てしまっていたらしく。
魔力と記憶を少しの間奪われ誰かに預けられ、もう1度彼らに会いに行ってその罪を償ってこいと言われた。

記憶を無くした僕はキノコ王国でルイルイ君に拾われ、ヒゲヒゲ君達と3人で暮らし始めた。
凄く楽しかったのを、覚えてる。
釣りをしたり、ゴルフをしたり、食事を共にしたり、料理したり、珈琲の淹れ方を教わったり。
何より記憶のある僕が誰よりも求めていた王国で念願の生活を手に入れたことが大きい。
充実していたし、僕も彼らに尽くした。
記憶を無くしても、彼らの事や償いの事は本能で覚えていたのだ。
彼らはそれに応えるように、地下世界から出来損ないの僕を今度こそ消そうとする輩から護ってくれた。

ある日、僕の幼馴染みだという女の人が家に訪ねてきた。
ヒゲヒゲ君達は警戒しながら彼女に応対する。
僕がひょっこり顔を出すと彼女は嬉しそうに僕に抱きついた。
彼女は、昔僕と共に遊んでいた幼馴染みその人だった。
そこで僕は、魔力の入った欠片を彼女に貰い記憶と共に復活して本当の姿にも戻った。
今までの優しさと、危険を冒してまで会いに来てくれた幼馴染み。
2つの事で柄にもなく僕は泣いてしまった。
オロオロするヒゲヒゲ君達にクスクスと微笑む彼女。
ただ優しくて暖かいその空間に癒され、僕は暫く泣いていた。

彼女は僕達と一通り話を終えると、僕にお幸せにと言って地下世界へと帰った。
曰く彼女は革命軍の一員らしい。
今の地下世界の現状を変えるべく頑張っているのだと言う。
君を巻き込みたくはないから、君はここで大人しく暮らしてなよ。と、彼女は僕にそう言って笑った。

言われた通りそこから僕は自分の力で幸せに暮らすべくキノコ街の一角で喫茶店を始めた。
珈琲の淹れ方やらなんやらは全てルイルイ君とルイルイ君のお嫁さんに教わって、何とか今も繁盛してる。
その間にランとも会ってドンパチして結局一緒に喫茶店で働いてたりと色々あったけど。
地下世界の号外新聞を見るまでは、平和に暮らしていた。

そう、それを見るまでは。

 

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手が震えている。
目の前の黒魔女に恐怖で怯えているんじゃない。
彼女を殺す事に、僕は戸惑いを感じてしまっているんだ。
この世界に赴く前、チビちゃんに言われたこと。

「彼女を殺す事は、即ちあの娘を殺す事と同一。でも、絶対あの娘はそれを望んでいるよ。だから、怯えないで。大丈夫、君には頼れる仲間がいっぱい居るんだから」

…………その通りだ。
彼女だってそれを望んでいるんだ。
だから僕は…オレはそれに答えなければいけない。

出来損ないの黒魔術師として。
君の幼馴染みとして。

 

 

出来損ないだった革命者として。

 

 

 

 


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彼は、地下世界の黒の魔法使いの産まれだ。
だが彼は黒の邪悪なる魔法だけではなく、白き聖なる魔法を使える素養も持ち合わせているんだよ。
故に彼は完璧な黒の魔法使いではないと、出来損ないと迫害されていた。

だがそれは違う。
彼は出来損ないじゃない。
逆なんだ。
彼は完璧で強く聡明な大魔法使いだったんだ。
そう彼は、あの地下世界を革命する為に産まれた救世主。

 

彼こそが…
この世界を変えることが出来る、
唯一無二の革命者なんだ。

 

 

 

やはり僕の出る幕はないかな…。
そう思って僕は魔力を増幅させるのをやめた。
疑問に思ったのだろうランやシルクが何をやっているんだと怪訝な顔をしてくる。

「いやね、任せましょうや。あの救世主様に」

そう、本物の英雄に。

 

 



そろっと復活

お久しぶりです。

私チビ・ゆきともうします。

ここ1年間で学校を退学したり、派遣会社へ就職したり、松に嵌ったり、Twitter始めたり、ノートパソコン手に入れて環境整ったり、コナン厨に堕ちたりと色々あってバタバタして来れなかったんですが今日からこちらの活動も再開したいと思います。

生存確認出来るように下にpixivだったりTwitter載せるんで良かったらそっちもどうぞ。

 

 

皆!!何にハマっても堕ちても僕はいまだにルイージもスピネルちゃんも誰も彼も大好きだかんな!!!!

 

Twitter→@chibi_yuki44(チビ・ゆき)

CAS→上記アカウントで進行中

pixiv→http://touch.pixiv.net/member.php?id=6486561

nanahttp://hibari.nana-music.com/w/profile/97276/

夏休み


夏休みのくせに忙しいわ
忙しいの言い訳に小説は進めないわ
自分が嫌になるぜ……

最近つまらないのぉ…
京都の仲間がおらんからやろか…
やっぱ都会のノリにはついていけんね…
最初っから都会人やったら
なんかちごたんやろか…。

ここに愚痴てもあかんにゃろけどねぇ……


落書き↓

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文化祭用の絵↓

『妖怪少年探偵團』を、
春足→P5主
弥人→P2主
うつひ→P3主女体化

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ルイージの小説 試し書き シルク目線

キノコタウンの一角いある建物の前、彼は突っ立っていた。キノコの形をした建物がひしめく中で、その建物だけは縦に長い長方形だった。キノコ王国の外観を壊さないよう、キノコの柄の部分と同じ、白色のペンキで塗られている。最上階である四階だけは特別に赤の下地に白色のまだら模様だ。そして二階の窓には何かを消したような跡が残っている。そんな建物を夢中になって見つめる彼。噂には聞いた事がある。その噂を聞きつけて私はここまできた。建物に夢中になる彼に、私は声をかけた。

「あなた、ルイージ?」

建物に夢中になっていて気付かなかっただろう彼は、慌てて右に顔を向けた。一瞬、彼が驚いたような顔でこちらを見て目を開く。すぐに間違いだと認識したのかすぐに元に戻ったが、しかし…。

「噂以上にひょろひょろしてるのね」

率直に思った事を口走った。昔からの私の悪い癖だ、毒舌家で素直に率直に何でもズバズバ言ってしまう。直さなければと思いつつ、兄にもそれはお前の個性だからと言われ別に無理に直す事もないだろうとあまり努力はしていない。……いや、流石に目上の人には気をつけたほうが良いわね。

「初対面の人を『ひょろひょろ』呼ばわり、か」

苦笑しながら彼が言う。確かに、初対面の人を『ひょろひょろ』と呼ばわり悪口を並べ立てる人など私ぐらいしかいないだろう。

「本当のことでしょ?」

こちらが目付き悪くそう容赦ない言葉を言うと、彼はしばし立ち尽くし、そして鼻を鳴らした。

「確かにひょろひょろだ。」

少し、自虐的に言う彼にムッとしてしまった私は、見下すような眼で彼を睨んでしまった。まぁ、どちらかというと身長的には彼が私を見下ろしているのだが。

「君の名前は?」

「シルク」

名前の問いに、つまらなさそうに無表情にしかもぶっきらぼうに答えた。彼は慣れているのか苦笑して言葉を続ける。

「何で話しかけたの?」

「『猫の手』に入社しに来た」

そう言って私は建物の二階の窓を指差した。そう、この建物は『猫の手』と呼ばれる派遣会社の本部だ。依頼者がこの会社に依頼し、社員が依頼を遂行する。土管を直してくださいという日常的な依頼から、ピーチ姫救出をはじめとする無理難題を平然とこなすのがこの会社の魅力だった。要するに赤い英雄の代わり。
彼は私に呟いた。

「じゃあ、こっちに来て。」

社内に入るとまず受け付け用のカウンターがあった、太陽光が部屋の中に差し込み宙に舞う埃を映し出す。歩くたびに床から白い煙が舞った。何故ここまでこんなに汚れているのか、しかも中には私達を除いて誰もいない。しんと静まり返っている。外の町の騒ぎは一切聞こえてこない。まるで夜だったらテレサでも出てきそうな雰囲気。ここ、派遣会社なんじゃなかったの?彼はカウンターの中へ入り、引き出しの中から社員の登録用紙を取り出し、埃を払い私に渡した。一通り項目を書くらしい。さらさらと書いて彼に手渡す。

「戦闘技能試験希望でいいかな?」

その呟きに、私はただ静かにうなずいた。
 

町はずれにあるだだっ広い空き地、ここが訓練場らしい。普段は公園として使われているのか、砂はよく整備されていた。準備を整えた私達は数メートル離れて向かい合っていた。
彼の緑色の帽子が太陽光を浴び、より一層目元を暗く陰気にさせていた。

「行くよ?」

彼呟きに私はやはり無言でうなずいた。
彼は左手を天に掲げた。何かを集中させ、小規模の雷を発生させる。そして走り幅跳びの要領で一気に間合いを詰めてきた。
 
≪サンダーハンド≫
 
彼の掲げた左手は私の腕によって跳ね返される。驚いたらしい、彼はとっさに後ろにジャンプした。そりゃそうだろう。私の右腕が剣に変化したのだから。その直後に彼のいた場所に鋭い斬光を走らせた。攻撃が外れたとわかった私は宙を舞いながら腕をハンマーに変化させる。上から思いっきりハンマーをぶつけてくると予想したのだろう、彼はさらに後退した。思惑通りだ。私は彼を飛び越える形で後ろに着地、無防備な彼の背中に思いっきり右手をたたきつけた。

その時、前髪がぱさりと揺れた。今更どうでも良いが、多分見られてしまっただろう。私の右目、左目とは対照的に赤く輝く、その右目を。
 

「合格だ。」

彼は私に社員証を渡しながら言った。私は思わず驚きのまなざしをこちらに向けてしまった。もちろん、試験に合格したから驚いているのではない。さっき彼は試験中に三十分間くらいずっと私のハンマーをもらっていたのにもかかわらず、平然と息も切らさず会話しているから。まぁ、彼だって社員だ。日ごろの訓練のたまものなのだろう。…まぁどうせ、耐えられるからといって痛くないわけではないのだろうが。口をついてまたもや毒舌が出てしまった。

「デクノ坊のうえに鈍感ね」

「君はもっと人を気遣うべきだ」

私は思わず舌打ちをしてから無表情に戻る。無口で最低限しかしゃべらない。口を開くときは大半が彼への毒舌。それが普段の私だ。これが元々の性格なのだから仕方ない。これをいうと恥ずかしいのだが、実は人見知りなだけだ。ツンデレ、とはよく言われるがそれは認めたくない。
それにしても気になってしまう会社の有様。

「このボロ屋、いつから掃除してないの?」

「二年前」

自分でも初めて会話らしい会話をしたような気がする。それにしても二年前から掃除をサボっているだなんて…。

「社長さんはよほどキタナイ部屋がお好きなようね」

「行方不明だ」

また悪口を言ってしまった………と思いきや予想だにもしなかった答えが返ってきた。
行方不明……だと?

「え?」

思わず素で声を出してしまった。そんなばかな。ありえない。

「社長は消息不明。どこにいったのか、はたまた生きているのか死んでいるのか、全部わからない」

わからない?消息不明?生死不明?

「じゃあ、『猫の手』は誰が仕切っているの?まさか貴方?」

「いいや。誰も仕切っていない」

 誰も?誰も仕切っていないと?この会社を?

「社員は僕一人。他は全員退社した。」

思わず怒りがこみ上げた。せっかく遥々ここまでやってきたのはごっこ遊びに付き合いに来たわけではない。私は思わず思いを全てぶちあけてしまった。

「はぁ!ばっかじゃないの?たった一人で会社気どり?私はごっこ遊びをしに来たわけじゃないのよ!」

彼は、ため息をついた。

「その通りだ。僕は君が言うような遊びのためにこの場所にいるんじゃない。社長が帰って来た時のために一人でここを守っているんだ。誰かが帰りを待っていなきゃ、あいつが、ルーニャが帰ってこれないだろう!」

彼の怒鳴り声に本気だということが分かる。
少し、自身の気持ちを落ち着けた。
落ち着いて深呼吸をして、もう一度問いた。

「じゃあ、二年も行方不明になっている人が帰ってくるって保証はどこにあるの?」

彼はポケットの中からネームプレートを取り出した。深い緑色。表には『名前:ルーニャ』、裏には『飼い主:ミスターL』と書かれている。それを私にに見せつけた。
珍しく、私の顔がニヤッと笑う。世に言う悪い顔という奴だ。へぇ。

「なるほどね。そう言うこと」

思わずそう呟くと彼が焦ったように言った。

「何か勘違いしてないか?」

「気にしないで、奥手さん」

これから何度彼に、ため息をつかせることになるのだろうか。









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今やっている長編小説の合間にちょこちょこと書き上げてきたものです。
最初、Foolさんのものを見たときは凄く嬉しく舞い上がっていたものでして…是非シルク目線を書きたかったのです。
またこちらでのシルクの容姿も描いてみたいと思います。

お粗末様でした。

ルイージの小説外伝 2.5 穢れた世界の収束と再生編 第十話



バンッ!

……と目の前の扉が思いっきり開く。目の前には無数にチビ・ゆきさんを囲む黒々しい手。チビ・ゆきさんはしまった!という風に振り向きグランルイージと目をかち合わせ、目線で会話する。即座にグランルイージが後ろから声を張り上げた。

「前衛マリオと君!後衛支援シルクとスピネルちゃん!セキリュウと僕ははそれぞれ支援二人を守る!シロスケ二人とバカとチビちゃんは後ろで待機!」

バカって酷くないかい!?」

グランルイージの指示の名前の呼び方にディメーンが不服を叫ぶもそれぞれ持ち場につく。僕もルイージと二人で前へ立ち目の前の黒魔女を睨んだ。

「ほぉ、死んだはずのこちらの世界のマリオではないか。のぉ、お前も殺されに来たのか?」

黒魔女がこちらを見て不敵に笑う。僕はゴクリと唾を飲み込んでもう一度睨みつけ言い放った。

「お前に殺されてたまるか!逆にぶっ倒してやる!」

「そーだ!」

ルイージと声を張り上げ威嚇する。黒魔女はクスリと微笑んで両腕を広げた。するとチビちゃんが消えたそこで群れていた黒い手が一瞬にして地面に沈み此方へ向かってきた。

「兄さん!」

「わかってる!」

ルイージの声に僕はすかさず反応して二人で駆け出す。黒い手を蹴ったり殴ったりファイアボールを投げたりして蹴散らし黒魔女の前へ躍りでる。

「くっくく…面白い!」

黒魔女はくつくつと笑い両腕を広げる、すると黒魔女の両脇から無数の黒い手が襲いかかってきた。僕とルイージはそれぞれ殴る蹴るで蹴散らし黒魔女に拳を向ける。黒魔女は楽しそうな高笑いをしながら魔法を唱え黒く光る氷を造形させ邪魔をしてきた。僕らは目線を合わせ氷を壊し、黒魔女へと拳を再度向けた。


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「……大丈夫〜?チビちゃ〜ん」

「んぁー、問題ねーぜ」

自身の傷を治すチビちゃんに声を掛けると普段と変わらぬ答えが返ってきた。しかし節々に息切れが見え、かなり魔力や体力を消耗したと見えた。

「ンッフッフ〜、ならいいけど。最後に力は温存させてねぇ〜」

「まっかせとけ」

ボクとチビちゃんは最後の切り札。ボクがトドメを刺すと見せかけて、チビちゃんが聖魔法でトドメを刺すという騙し討ちをする為に体力を残しているんだ。

「しっかし……そう簡単に行くんかねー」

「演技でもないことを言わないでほしいなぁ〜…」

チビちゃんの不穏な呟きにボクはぼやいた。次の瞬間、激しい閃光と衝撃が響いた。恐らく敵のチャージと衝撃波。続いてヒゲヒゲ君とルイルイ君を追い越して後衛の二人…無防備な彼女にくるかまいたちの様な無数の刃に、ボクの体は自然と動いていた。チビちゃんの止める叫ぶ声も届かないほど…ボクは目の前の光景に必死になって手を伸ばした。



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一瞬、目が眩む。
目の前でなにが起こっているのか、目を瞑っていたせいで理解が出来なかった。
わたしを優しく抱き締め包み込んでいるのは、最も嫌いだった彼だった。
ピシリと何か割れる様な音が鳴る。
悲鳴にも近いそれはわたしを抱き締めている彼の顔から発せられていた。
そう、彼の顔。彼の仮面から。
わたしを抱き締めていたのはディメーンだった。
周りで皆が騒ぎ立てている。
煩そうにため息をついた彼は黒魔女にも聞こえるぐらいの声でいつもの調子で話した。

「ンッフッフ〜♪やっだな〜、ミステリアスを醸し出す為のせぇっかくの仮面が割れちゃったじゃないかぁ〜?」

クツクツと笑う彼の仮面が等々地面へと割れ落ちた。
露わになったその顔に、わたしは思わず息を飲むことになる。

「……なーんてさ」

彼が聞いたこともないような冷たい口調でそう呟いた。
抱き締めていたわたしをそっと立たせにこりと微笑みそのまま黒魔女の方に振り向いた。

「……ねぇ、君さぁ、怒らせる相手間違ってんのわかるか?……オレにどう殺して欲しいんだよ?

ニヤリとほくそ笑む彼の姿に、冷たい目で見る黒魔女以外の誰もが、ゾクリと体をふるわせた。



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ディメーンがイケメンで今日もつr((((((
忙しくて挿絵が付けられない僕を
どうか許しておくれん_(:3 」∠)_

ルイージの小説外伝 2.5 穢れた世界の収束と再生編 第九話

合流


「あれー先に帰ってたんだね〜♪」

「あ、帰ってきた」

ボクらが玄関に訪れると、先に終わったのかチーム1のメンバーが先に帰っていた。ヒゲヒゲ君やルイルイ君に目立った外傷が見られないところを見ると、スピネルちゃんやシルクちゃんが魔法を使って治療したのだろう。四人とも無事だったのに気付かれぬようほっと息を吐く。いつものニッコリとした笑顔に戻って声をかけるとルイルイ君もホッとした様子で返事をする。ほか三人もボクらがそこまで傷ついていない事にホッとしているのか若干の微笑みが感じ取れた。

「ンッフッフー♪こっちに居た悪魔はきーっちり倒しておいたよ〜♪」

「良かった、こっちも吸血鬼を倒しておいたよ!」

朗報と言わんばかりの明るい口調でそう言うと、ヒゲヒゲ君も嬉しそうに返事を返した。ンッフッフー♪やっぱマリオよりヒゲヒゲ君の方が反応が可愛くてこっちまで嬉しくなっちゃうな〜♪そうやってニヤニヤしていたらシルクにキモいと一喝された。酷い!

「ところで、チーム3の2人はどこだ?」

セキリュウの疑問に皆がそれぞれキョロキョロと辺りを見回す。ボクも一緒になって見回していると頭の中に何か言葉がよぎった。それに応えるようにボクは手を掲げて指ぱっちんをして見せる。皆が疑問を浮かべながらこちらを見る中ボクの目の前の空間がクルリと音を立て廻り、その場に外傷の見られない見慣れたマリオとボロボロのルイージの姿。その様子に流石にボクは息を飲んだ、あのルイージ・グランカートが、チビちゃんも居るというのにボロボロになっているからだ。スピネルとルイルイ君が悲鳴に似た声を上げる。セキリュウ達三人は声こそ上げていないがびっくりした様子で、ヒゲヒゲ君とシルクはそれぞれ声を掛けた。

「ふ、二人とも!」

「ちょっ、ボロボロじゃん!?」

「あ、ディメーン気付いてくれたの?ありがとう」

「どういたしまして〜♪」

平気そうにマリオを抱き抱えながらお礼を言うルイージにボクは平静を装って返事を返す。シルクがすぐに回復の魔法を唱えだした。ボクはその様子を見ながらこっそりとスピネルちゃんに近付いた。遠くからでも分かる彼女の怯えよう、ボクが声を掛けても怖がられる事は目に見えているがベビィ達を育ててるボクに無視する事はできない。だから敢えて近づく事にしたのだ。

「…大丈夫?スピネルちゃん」

ボクが声を掛けてみると吃驚したのか少し体を跳ねさせる。そしてボクから一歩だけ距離を取るとそっと頷いた。やっぱりボクに怯えてるらしい、遠目でルイルイ君が僕を少し睨んでいる辺りまだ信用されていないのだろう。でもそれではボクが困る、ボクは純粋にスピネルちゃんが心配なのだからそれを誤解されたくはない。だからボクはまた一歩近づいて手を伸ばした。スピネルは吃驚して目を瞑りそれに反応したルイルイ君がこちらに近付こうとする。皆がこちらを見るタイミングを見計らって、ボクは優しく、ゆっくりとスピネルの頭を撫でた。

「………え?」

ルイルイ君やこちらの世界の住人達は皆それぞれ吃驚したように固まる、それは目の前でポカンとしながら大人しく撫でられているスピネルちゃんも同じだ。ルイージとラン、シルクに関してはいつものことかと普通に見ているが。

「あのね、君らがどんな勘違いしてるか知んないけど。ボクはここのふざけたボクとは違う。現にボクはからかおうとせずにただ純粋にスピネルちゃんが心配で近付いたんだけど?」

少しむすりとしてルイルイ君達に言ってみせると、皆それぞれバツの悪そうな顔をした。そんな顔をさせるつもりは無かったんだけど…この際仕方ないか…。ボクは小さくため息をつき撫でていた手を退ける。そしてニコリと微笑みかけ、スピネルに問いかけた。

「フフッ、無理する必要はないよ♪怖いんだったら、外でルイルイ君と待っていた方が賢明だと思うけどなぁ〜?」

真剣な顔で問いかけるボクに、彼女は思わず息を呑んだ。チラとルイルイ君の方を見ると、彼もスピネルちゃんを心配な表情で見ている。

「確かに、無理する必要はない。作戦に強制なんてしても意味ないから」

ルイージもマリオの頭を優しく撫でながらそう言った。スピネルちゃんは悩んでいるのかおろおろとしている。そんなスピネルちゃんを見て、ルイージが大袈裟にため息をつきスピネルちゃんに近づき顔を覗き込んだ。

「でも、後悔したくないなら来い。やるだけやってみろ」

おどおどとしていたスピネルちゃんに、ルイージがはっきりとした口調と目で言った。睨みつけているかのような眼差しと、怒ったような口調。でも彼は怒っても睨みつけてもいない。ちゃんとスピネルちゃんが後悔しないようにと考えての発言だろう。しっかりとその思いはスピネルちゃんにも伝わったらしく、彼女も真剣な顔になり頷いた。それを見て満足したのかルイージがニヤッと笑って立ち上がり、手をかざす。そしてルイージの掛け声に皆が応対する。

「さ、任務開始だ。思いっきり暴れるぞ!」

「おぉー!」

ンッフッフー♪さぁ、最期の戦いだよー♪






-続く-

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挿絵はその内つけるつもりだったり…
だったり…☆←