ヒゲと猫と二つの王国 1-3
「取り敢えず戻ってこれたね…」
「以外に遠い所まで行ってたんにゃね〜」
「ね〜じゃないからね?…はぁ…もう魔力残って無いし空間移動は無理だなぁ…」
僕はルーニャと共に猫の手に帰って来ていた、歩いた時間はおよそ三十分。…実に疲れましたはい。僕が溜息をはいているとルーニャが話しかけてきた。
「というかマステラはどんなキノコ王国から来たのにゃ?」
「僕?」
「そうにゃ!気になるのにゃ!」
「ん〜とね〜まず…」
僕は自分が居たキノコ王国について話した。僕がマリオ、ルイージ、僕、ルームの四人で暮らしている事、マリオは活発な性格で、ルイージはほんわかしていて、ルームは吸血鬼王国の王様だけど血が飲めなくて、太陽やニンニクが大好きな普通とは違う吸血鬼の種族なのだという事、マリオやルイージにはこっちとは違い、医者の兄や現在行方不明の姉が居るという事、ピーチ姫はそのままで…デイジー姫が居て、ルイージと付き合っている事、猫の手の代わりにギルドがあって、キノコ王国には支部もある事、僕がそこのメンバーだという事、そして…
「空間移動便利だにゃ〜」
「一人ぐらいなら僕と一緒にワープさせる事も出来るよ?」
「本当かにゃっ!?」
「うん!…でも僕今はマジの空間移動したから魔力残ってないんだよねww」
「…それ魔力回復するまでどうするのにゃ?」
「…どゆこと?」
「例えば…そうにゃ〜宿…とか?」
「…あっ」
そうだった、僕散歩しに来ただけだったから一文無しじゃんっ!!う〜どうするかなぁ〜…
「ただいま」
「ただいま…」
「お〜ルイージもスピネルもお帰りにゃ!」
…ルイージと…『スピネル』?
「ただいまルーニャ、あれ?その子は?」
「…誰?」
「この子はマステラって言うにゃ!こことは違うキノコ王国から空間移動してきたそうにゃ!」
振り向くとそこには確かにルイージと黒く長い綺麗な髪の毛を持つ白いワンピースの女の子…
「す…」
「す…にゃ?」
「す?」
「す…す…」
「す…?」
「スピネルちゃぁぁぁぁぁん!!!!」
「キャッ!?」
「うわっ!?」
「お〜スピネルにマステラが抱きついてるのにゃっ!」
僕は憧れていたその姿に『変態スイッチ』を入れてしまって思わず抱きついてしまった…
続く!