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チビ・ゆきのルイージの小説外伝

ルイージの小説外伝の置き場

マリオとルイージでカボチャヘッズミゼラブル

ごめん ごめんね ごめんなさい」






















「はぁ…」

「元気だしてよ、マリオ」

「だって…」

森の奥の木の根元に、俺と君はいつも通り二人で腰掛けて談笑を交わしていた。俺は悪魔、まだほんの少し未熟な悪魔。未熟だからなのか、俺はまだイタズラがヘタクソだった、だから周りの同期の悪魔に良く虐められていた、まぁ大体蹴散らしていたのだが。隣で俺と同じように座っているのは白猫のルイージ。俺には似合わない純粋な白色をしている猫だが、俺の事を嫌悪するわけでもなく分け隔てなく接してくれる。そんなルイージの事を俺も気に入り今では一緒にいる事が多くなっている。ルイージと出会ったのは三ヶ月前、ルイージはその時既に野良猫で飼い主は何処か遠い所に行ったと言っていた。その後ちょくちょくルイージの居る空き地に通うようになり、今では毎日会っている。そして俺はルイージと会う度に俺の居場所はあの悪魔の世界ではなく、此方の人間の世界なのではないのか?と。だから俺はあることを考えた、今日はそれをルイージに伝えに来たのだ。

「…あのなルイージ、俺考えたんだけどさ?」

「どしたのいきなり?」

ルイージはキョトンとした顔をして此方を見る。

「俺は人間になりたい」

「…何でまた?」

「…俺は普通にヒトの世界で暮らしたいんだよ」

「…なるほど!」

ルイージは納得した様子で笑顔になるが、すぐに難しい顔をして「でもどうやって人間になる気なの?」と言い返してくる。

「大丈夫、考えはある」

「何々?」

「この森の奥にある屋敷に、あるお化けの王様が住んでいるんだ。そこに居る魔女に頼めばいける…はず!」

「魔女さんか…その人なら確かに魔法で人間にしてくれるかもね♪」

「だろ?早速行こうぜ!」

「僕も行くの?」

「おぅ!」

「分かった♪」

俺とルイージは急いで屋敷に向かった。屋敷に入ると二人のお化けが快く出迎えてくれてルイージは別部屋へ、俺は魔女のいる部屋に案内された。魔女は俺を見るとフッと笑った。

「ようこそ悪魔さん、何の御用かしら?」

「俺を人間にして欲しいんだ」

「…何故?」

「…俺、イタズラとか下手だし…よく悪魔らしからぬ行動するから…人間になって…普通に暮らしたいんだ」

「…分かった」

魔女は俺の額に手を当て魔法をかけると俺に言った。

「人間になれる術を教えましょう、お前は明日のハロウィンの日に一日だけカボチャのオバケになれる」

「その時俺がするべき事とは?」

「ハロウィンの夜に、心のこもった贈り物だけでその頭を満たせるなら、お前はヒトになれるでしょう」

魔女は意味深に俺の目の前まで顔を近づけそう言うと、俺を外に出した。外にはあの二人のお化けが居てお化けはルイージが居る方とは反対の部屋へ連れて行き、少々待たされた。やがてルイージが部屋に入ってきて、俺はルイージと共に屋敷を出た。そのあとルイージに魔女に言われた事を話すと、じゃあ頑張らなきゃねと言われた。…果たして俺はカボチャの頭を満たせるのだろうか…?

迎えたハロウィンの当日、俺は必死に街中を駆け回った。けどいざ目の前にお菓子をくれる人が居ると、声を掛ける事は出来なかった。後ろからルイージが後押ししてくれることもあったが、それでも無理だった。逃げてしまった。…頭は満たされることがなかった、おねだりがヘタクソな俺じゃお菓子を集める事は出来ないのだ。俺は路地裏にルイージと一緒に入ると頭を抱え蹲った。その様子を見兼ねたのかルイージはこんな事を言い出した。

「なら僕をお食べよ、そうすればいつまでも一緒に居られるよ?」






























……ふわぁ…ねむっ…あっどうも、私先程悪魔さんに魔法を掛けました魔女です。で、今部屋で一人な筈なんだけど。

「…貴方…何しに来たの?」

「ふふっ…ちょっとお願いしたい事がありまして♪」

何故か部屋には一匹の白猫が居た。しかもあの悪魔と同じ、私に叶えて欲しいことがあるらしい。

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「君も…?で、何がお望み?」

「お菓子になれる魔法をかけて欲しいんだ♪」

「…何故?」

「…秘密です」

「…分かった………はい、これでOK、貴方は一生に一度だけお菓子になれる魔法をかけてあげたわ」

「ありがとうございます」

白猫は丁寧にお辞儀をすると部屋から出て行った。…なんでまたお菓子になりたがったのかしら…お菓子になれたって、食べられる時には痛みを伴うし、多分そのつもりなんでしょうけど…あの悪魔に食べられても、その魂は……

                   むくわれないのに

……………………

………………

………


…俺は何をした?
目の前にはもう何もない、誰も居ない。だっていつも声を掛けてくれていた、
俺の大好きな優しいあいつは…

               俺が食べてしまったから

大好きな君を食べてしまった、誘惑に負けて。君はお菓子になってくれた、俺の為に。確かに頭は満たさレた、俺の頭ハ満たさレタ。でも、目からは飴玉が零れる。何故?何で?お願いだから零れないでよ、じゃなきゃ、

また足りナくなっチゃうじャないカ

俺は自らの手を齧った、とても痛い、それでも齧った。君もきっと痛かったんだろう?

        ごめん ごめんね ごめんなさい


…俺ガ人ニナリタイノハ
        君ト共ニ暮ラスタメダッタノニナ…

































キンテレ「『そいつは自分を食べ続けた末に空のカボチャの頭だけが残ったとさ…』」

マリ「それ…本当にあった話なのか?」

キン「まぁ、実際この屋敷に住んでた魔女から聞いた話だしナ、ユルリとユラリも言ってたシ。大体俺もそいつの頭のカボチャは見てるしナ」

マリ「つか、何で俺らの名前なんだよ」

キン「匿名だからナ、何と無くダ」

ルイ「…泣ける話だねぇ兄さぁん…」

マリ「おまっ!涙腺弱すぎだろーよ…」

ルイ「だってぇ…」

キン「泣き虫だナ…ケケッ…」

……お前らの先祖の話なんだけどナ……


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-終わり-