嘘つき同士
…あれ…僕…さっきまで外に居たような…?
気を失っていたのか、僕はソファで目を覚ました。つか何で気絶なんか…
「いっつぅ!?」
「目、覚めたぁ?」
いきなりデコピンされた、しかも普段はここにいることさえありえない人。
「…ルイージ君?」
「やぁ、カノ君。お久しぶりだね♪」
「お久しぶり…って、ちょっ!?君なんでここに居るのさ!?」
そう、ここはカゲプロの世界であってキノコ王国ではない。だから彼がここに居ることはあり得ないはずだ。…ワープしてきているなら別の話だけどね。
「あぁ、あの時は世話になったからね。お礼にクッキー焼いたからワープしてきたんだよ」
「そう…で、何で君は僕の目の前でタオル絞ってるの?」
そう、クッキーを焼いてきたという彼は何故か目の前でタオルを絞ってるのだ。
「…僕に能力が効くと思ってんのか?」
「へっ?へぶっ!?」
彼は僕の額にタオルを投げると、僕の目の前に顔を近づけ目を鋭くさせた。
「…なに?」
「…熱、出てんでしょ?いい加減欺くのやめれば?」
「…あぁ、ばれた?」
「当たり前」
彼は僕の目の前からどくと呆れ顔をしていつの間にかあったテーブルの上のお粥を僕に突きつけた。
「これ食べないとクッキーあげないからね?」
「うへぇ…きついなぁw」
「あと能力解け」
「…ぅい……」
…ほんと、セトみたいな奴。しかもこういう時にはお兄さんみたいな口調になるんだから……てかお粥うまっ!ほんとこの人主夫だなぁ……あれ?
「……他のみんなは?」
「シンタロー君の家でパーティ」
「…行ってくればいいのに」
「…あんまり好きじゃないし」
「………そっ」
嘘つき同士
嘘ばっかし(だけど)…似てるなぁ…やっぱり