ルイージの小説外伝 2 第一章 第八話
☆月11日
こればかりは…
僕も硬直せざる得なかった。
「姫……」
「うわあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあ!!!!」
「姫様ぁ〜…」
ピーチ姫が…喰われていた。
「クッパ…」
「…」
僕の傍らではクッパが姫を見て小刻みに震えている、余程ショックだったのだろうか顔がやけに青い。兄さんは兄さんで姫の死体に手を合わせながら死体状況を確認していた。
「兄さん」
「あぁ…これは例の殺人鬼で間違いねぇな…」
「…そっか」
悔やんでいても仕方ない、黙って犯人を探そう。そう思って僕は血に塗れたピーチ城を出た。
家ではスピネルが椅子の上に座ってカタカタ震えていた。僕がリビングに入ると堰を切ったように泣き始めた。僕はスピネルの背中を撫で落ちつかせ、兄さんと目を合わせて、今日はスピネルは僕と寝る事にした。これで多分…スピネルが襲われる事はないだろう。
この時、僕はふと頭に過ぎった事がある。
兄さんなら…殺れそうだな…なんて。
まぁ、兄さんのはずが無いか。
あと一人、あと一人。
…いや、
もう二人か……………。
-続く-