バレンタインなんてくそくらえ!!
「…なぁ、マホロア」
「なんだヨ?」
「バレンタインって、いらないのサ」
「本当それネ」
僕はマルク、隣に居るのはa…もといマホロア。二人揃ってチョコを貰えてない非リアなのサ。
「カービィとかいっぱい貰ってそうなのサ…」
「メタとかデデとかやばそうだヨォ…」
「「…はぁ…」」
二人して落ち込んでると、不意に影が落ちる。
「ヘイヘイヘーイ?二人して何落ち込んでんのさー?」
ふとした声に二人で顔を上に上げるとグリルが上からこちらをみてニコニコしていた。
「あ、グリル…そういえばグリルはチョコ貰ったのサ?」
「貰ったよ?ドロシアに♪」
二人でポカンとした、だって僕等は貰ってないし。口をパクパクさせてマホロアが叫ぶ。
「マジかヨ!?」
「ドロシア二人のこと探してたよ?チョコ渡せないって」
今度は間髪入れず叫んだ。
「マジかヨ!?行くぞマルク!!」
「OKなのサ!!」
走るマホロアについて行こうと足を踏み出した所でグリルに後ろ手を掴まれた。
「…どうしたのサ?」
「…えっとね、」
グリルは僕に顔を近づけると軽く唇を合わせてきた、びっくりして後ずさるとグリルが箱を突き付けてくる。
「…え?」
「チョコ、あげる!♪マホロアには内緒ね?」
ニコッと笑ってそう言う彼はもう天使にしか見えなかった。(魔法使いだけど)
その後自室でグリルの作ったチョコを食べると異常にしょっぱかったが、文句は言わないでおこう。