チビ・ゆきのルイージの小説外伝

ルイージの小説外伝の置き場

ルイージの小説外伝 2.5 赤い宝石と黒い水晶編 第二話

「で、どの道に進めばこの森抜けられるわけ?」

「知らな〜い♪」

「知らないのにどうやって来れたの?」

現在の状況:絶賛迷子
外に出てピーチ城に行くためにテレサの森へ出た私達は、迷子になっていた。意気揚々と外に出たシルクは今現在かなり汗をかいて困っていて、シロスケはそんなシルクを呆れた顔で見て、ランはそんな様子を見ながらケラケラ笑い、ディメーンは浮遊して空から辺りを見回している。

ディメーンが一番まともね。

「大体知らないのにテレサの森なんか入るからでしょ?」

「だってどっちにしろ入らなきゃいけなかったじゃない」

「ディメーンに方向確認して貰えば良かったじゃ〜ん?♪」

「まずディメーンの存在忘れてた」

「しどいっ!?」

なんやかんや言い合いしているのをボーッと眺めていた私は騒がしいパラレル集(一人を除いて)に呆れ果てて座り込む。そのまま薄暗い空を見ていると、不意に声が聞こえてきた。

『あー、あー、聞こえてるー?スピネルちゃーん?』

この声…チビ・ゆきさんかな?でもこれってセキリュウから貰った奴とは違う通信の仕方よね…もしかしてテレパシー?………声が届くか分からないけど、返事をするに越したことはないよね…。

『……チビ・ゆきさんですか?』

『おっ!やっぱスピネルちゃん凄いね!テレパシーでもちゃんと話せるんだ♪』

あ、ちゃんと聞こえてるんだ。良かった…。

『初めてやりましたけど…ちゃんと声届いてるんですね…』

『見たいだね♪んで、そっちはちゃんと四人居る?』

四人っていうのは…間違いなくシルク達の事ね…。

『居ます、絶賛取り込み中です』

『取り込み?敵でも出てきた?』

心配そうな声でチビ・ゆきさんが聞き返してくる、けど実際はそんなに心配することでもないんだよね…。私はちらと揉めてるシルク達を見て苦笑しチビ・ゆきさんに返事をした。

『…迷子です』

『おっふ…』

チビ・ゆきさんは呆れたような声を出した、その声にちょっと含み笑いがあった気がする。

『あー…頑張れ〜…こっちも大丈夫だから…ww』

『分かりました…心配してくれてありがとうございます…』

『いやいや、じゃあまたね!』

そうチビ・ゆきさんが言うとプツッという音を最後に何も聞こえなくなった、チビ・ゆきさんがテレパシーを切ったのだろう。私はそれを合図に立つと、むすっとしているシルクの背中を叩く。

「ん?どうしたの?」

シルクはキョトンとしながらもむすっとした顔で私を見ている。

「落ち着いて…茶番は終わり…私ちょっとぐらいなら道分かるから、揉めてないで行こう?」

薄く笑いながらそう言うと、シルクはニヤッと笑って号令を掛けた。

「そうね、茶番は終わり!さっ、行こう!」

さぁ、短い冒険の再開です。



-続く-





























「チビ・ゆきさん、終わりました?」

「うん、終わったよ〜♪そろそろ天界を出ようか、君の弟さんと赤い龍さんもいつまでも寝てたくはないっしょ♪」

「そうですね、あとパラレルの弟にも早く会ってみたいですし…」

「パラレル弟はグレてるよぉ〜?」

「えっ」

「嘘々♪」

「良かった…」

「さ、行こうか」

「はい♪」