ルイージの小説外伝 2 赤い宝石と黒い水晶編 第四話
「ホラ、ここが出口ダ」
キングテレサに案内された私達は、無事に出口に辿り着く事が出来た。
「ありがとね、キングテレサ♪」
「脅されたシ、何より現状が現状だしナ、じゃ、俺様は帰らせてもらうゼ」
「さぁ行こうか、血染めの街へ」
「…うん!」
覚悟を決めた私はそう力強く返事し、手を握り返した。
血染めの街……少し大袈裟な表現だと思っていたがそうでもなかった。
「…真っ赤…」
「これ全部血よー?凄いわよねぇ〜…」
シルクは呆れたようにそう言うと溜息を吐き歩き出す。私とディメーンとランとシロスケもそれに釣られて歩きだし、変貌した街を見渡す事となった。暫くして商店街に入るとランが口を開けた。
「ウシャシャ♪ほんとに真っ赤っかだねぇ〜♪どうやったらこんな血染めに出来んだろぉ〜♪」
そう言うと壁に指を当て血を掬い取りペロリとそれを舌で舐めた、正直怖い。それを一緒に見ていたディメーンが苦笑交じりに口を開く。
「キノピオを全部殺ったらだよ…というか君ほんとそういうの好きだねぇ〜…」
「うん♪グロ大好き♪」
ランはそう返事するとニコッと笑ってまた普通に歩き出す。シロスケの方を見るといつもの賑やかさや明るさがなくいつまでもだんまりで辺りを見回しているだけだった、それが私にはとても不気味に見え思わず目をそらして前だけを見るようにした。
暫く歩き続けた私達はシルクの誘導で、目的地であるピーチ城に着いた。ピーチ城も血で染まっていてなんだか不気味だ。シルクは私達を見回して無言の了解を取ると重い扉を開けた。
扉の先に広がっていたのは
真っ白な天使の羽と見覚えのある緑と赤と赤髪………
「あら、早いのねチビちゃん」
「あんたらがおっそいのよ、シルク」
私の顔は一気に綻び、笑顔に変わっていた。
-赤い宝石と黒い水晶編 END-