ルイージの小説外伝 2.5 白き堕天使と蘇りし英雄編 第二話
「ここが……僕の……」
「そう、君の住んでいたキノコ王国だよ」
………はっきり言って吐きそうだ。
なんだこの赤は……本能がこの場所を拒否している……体が震える……チビ・ゆきさんが歩き始めるけど僕の足は進まない…
……一歩も進みたくない……
「!……マリオ?…大丈夫かい?」
チビ・ゆきさんが微動だにしない僕を不審に思ったのか、立ち止まって僕の方へ振り返り僕に声をかけた。
「あ……いえ……」
「怖いの?」
「!」
僕がおたおたしていると、チビ・ゆきさんはふぅ…と息を吐き首を傾げてそう言った。実に明確な答えだ。僕が頬をかくと頷くとチビ・ゆきさんは苦笑して僕の所まで戻ってきて僕の頬を掴んだ。
「いたたたたたた!?」
「他のキノピオ達はもっと痛い」
「!」
「だって、死んでるもの」
「僕達が…怖がってる場合じゃないだろう?」
「…そうですね」
…今は…今は進まないと…!
この王国を救う為に……!!
「ところで、最初は何処に行くんです?」
「あぁ、星降る丘だよ。そこで仲間と合流する」
「分かりました…じゃあ」
「あぁ、行こうか…!」
僕らはそう言い合って、駆け出した。
「君が…セキリュウだね?」
「!……お前は」
「はぁい、説明しなくても分かるだろ?……呼び名はグランでいいよ」
「分かった…」
「…あの野郎、随分簡潔に殺ったんだね」
「……」
「…大丈夫だよ、どうせチビちゃんが来て生き返らせるんだから♪」
「そうか…」
「……さて、チビちゃんが来るまでここで待っておこうか」
「…あぁ」
-続く-