ルイージの小説外伝 2.5 穢れた世界の収束と再生編 第二話
チーム1:ルイージ、マリオ、スピネル、シルク
「さてと…私達が進むのはこの右側の廊下ね…」
私は伸びをしながらそう言って廊下を指差した。チビちゃんが言うにはこの城は3つのエリアに分かれており、一つは真っ直ぐに進んだ大広間の先。一つは左側の廊下、ラストは私達がいるこの右側の廊下だ。ルイージがコクリと頷き薄暗い廊下の先を見やる。
「…なかなか広いね。ピーチ城…こんなに広かったっけ?」
「大方魔法でしょう?なんせこの先にいんのは…」
「…魔女」
ルイージの問い掛けにもっともらしく答えると、続いてスピネルが苦々しい単語を口にした。それに続いて私とルイージ、マリオも顔を顰めて見せる。そう、この先に待ち受けるのは黒魔女。チビちゃんが言うに、胸糞悪い性格をした魔女だそう。吸血鬼の女と悪魔の女を従え、色んな世界をことごとく混乱へ陥れてきたそうだ。そんな魔女ともしかしたらこの四人で対峙するかもしれない、そうだと想像するだけで背中に悪寒が走った。
「…でも、立ち止まっていても仕方がないのは確かだと思いますよ」
沈黙の中、マリオさんが声を上げた。ヒーローらしい、力強い声。その声に私達三人は顔を見合わせて頷きにこりと微笑んだ、少し歪な笑顔だったかもしれない。そんな不安も、マリオさんの精一杯の笑顔で消えていった。
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「…それにしても」
私のその言葉に皆が頷いた。スピネルなんかさっきから倒れそうにばかりなっている。それもそのはず。そんな豪勢な部屋も、キノピオの血や臓物で赤く染め上げられているからだ。如何にも部屋でゆっくり談笑している時に食い散らかされたかのようなぶちまけ方。中には首から上だけがなく机に座ったままの身体なんてものもあった。これらには私も参った。いくらなんでも正気でいられるものじゃない。それはマリオとルイージも同じらしく、たまに口元や目を塞いで堪えている時もあった。
「…こんなのがまだ続くのなら…そろそろ耐えられないぞ…」
吐き気が治まったのかやっとルイージが声を上げた。そらそうだという風に苦々しい顔で頷いて見せると少しばかりの笑みを浮かべてみせた。
いよいよ一番奥の部屋だ。何が待ち受けているかは分からない。それでも、何があろうとこの扉を開けなければならない。
「…開けるよ?」
マリオの問い掛けに三人でゆっくりと頷く。ここまできたら行くしかないからだ。
「………っ」
口元を押さえながらマリオが扉を開けた。その部屋…いや、キノピオ達の休む憩いの広間であっただろうその赤黒く染められた部屋の中心にいたのは…。
「………いらっしゃいませ?」
茶色いマントを羽織った、真っ赤な目の女だった。
それも、口元やマントを赤黒い臓物や返り血で染めた。
続く
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うぅぅぅぅ!
僕ちゃんふっかぁぁぁぁつ!!←