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チビ・ゆきのルイージの小説外伝

ルイージの小説外伝の置き場

ルイージの小説外伝 2.5 穢れた世界の収束と再生編 第五話

戦闘BGM

チーム1:ルイージ、マリオ、スピネル、シルク


「………いらっしゃいませ?」

そう言って首を傾げた彼女は地面に落ちていた大きな鎌のような物を持ち上げる。恐らく彼女の武器だろう。その様子を見た僕らはそれぞれ戦闘態勢に入った。

「君が…黒魔女の使役する吸血鬼かい?」

兄さんが恐る恐るそう尋ねた。大して彼女は深く頷くとニコリと微笑み話し出す。

「うん、そうだよ。僕、君たちのことをずっと待ってたの。茸人の血ばっかり飲んでたら飽きちゃっていたところなんだ」

薄い笑みと口調から感じ取れる嬉々としている様子の彼女に僕と兄さんは思わず唾を飲み込んだ。スピネルも僕の後ろに隠れながら怯えた様子で吸血鬼を見ている。シルクに関してはたいして恐がりも震えもせず堂々と戦闘に立っていた。流石魔女の血が通っている人なだけある。

「…シルク、どう攻撃するの?」

「決まってるでしょ?あの吸血鬼は典型的な吸血鬼。つまり日光、光が苦手なわけ。つまり私が光属性の魔法を与えられれば即死よ」

僕がシルクにこっそりと尋ねると、早口で返事が返ってきた。顔から少し冷や汗が出てる感じを見ると相手の吸血鬼も相当な戦闘力を持つのだろう。続いて兄さんが光属性の魔法について尋ねると、難しそうな顔をしてシルクが答えた。

「実は詠唱に結構な時間を有するのよね………」

ため息をつきながら答えるシルクにどのくらいの時間が掛かるのかと聞くと、早くて10分。詠唱を速める魔法をスピネルが重ね掛けしてくれるなら最低でも五分で詠唱が完了するのだそうだ。

「…なかなかの難題だね…」

「…でも、それで五分で片がつくのなら儲けもんよ」

僕のため息交じりの呟きにニヤリとしながらシルクが返事を返した。確かに、ここでやらねばもっと時間が掛かるようになってしまう…。けど、僕と兄さんだけで五分もの時間を稼ぐ事が出来るのだろうか…?そんな不安ばかり頭の中によぎらせていると、ふと下から声が聞こえた。

「……ルイージ

それは兄さんの呼びかけだった。兄さんの呼びかけに俯いていた顔を少しあげるとニッコリと微笑まれた。

「僕達、二人揃ってマリオブラザーズだろ?一人じゃ無理かもしれないけど、僕ら二人ならなんだって出来るさ!今までだってそうだっただろ?僕らに不可能はない!…だから後ろ向きに考えるのをやめよう。前を向こう!」

兄さんが両腕を広げ力説をする。僕は初めはぽかんとしていたが、次第に拳に力が入る。そうだ、今僕の側には確かに兄さんがいる。今までだって兄さんと共に幾つもの試練を乗り越えて来たじゃないか!そうだ、だって僕達はーー

「だって僕達は…マリオブラザーズだもんね!」

四人全員がやる気に満ちた笑顔になる。そうだ、やろう。必ず成功出来るから。

「ねぇ、お話終わった?僕、凄く暇」

退屈そうにそう僕らに問いかけた吸血鬼の方を見て、僕らはニヤリと笑う。

「えぇ、始めましょう。貴方も退屈でしょう」

「うん、久々に思い切り運動させてもらうよ!」

「私も…頑張る…!」

「あぁ…行くぞ!」

皆の掛け声が終わると同時にスピネルとシルクがそれぞれの役割に合った詠唱を始める。それを見た僕と兄さんがそれぞれ左右に分かれてダッシュに相手に近づく。

「おいで…纏めて一人残らず吸い尽くしてあげるから…!!」

吸血鬼は恍惚の笑みで嬉々としてマントを脱ぎ捨て黒い翼をはためかせた。そして向かってくる僕達に応戦すべく、鎌を構えて紅い目を光らせた。

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続く

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今回から挿絵と戦闘BGMなるものを追加しました。
聞きながら見るとより楽しんでもらえると思います。
また、戦闘BGMのリンク先に許可は得ておりません。
違反になるのであればリンクを削除し、曲タイトルだけを上げようと思います。
それでは、ここまで閲覧頂きありがとうございました。