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チビ・ゆきのルイージの小説外伝

ルイージの小説外伝の置き場

ルイージの小説外伝 2.5 穢れた世界の収束と再生編 第十三話

ルイージの小説外伝 2.5 穢れた世界の収束と再生編

 ルイージの小説外伝 2.5 第十三話

 

ディメーンと魔女が激しい攻防を繰り広げるさなか、もう一人のルイージがもう一人のマリオを連れてきた。入口の外に置きさられてからずっ放置状態で眠っていたらしく、もう一人のマリオさんは眠そう。様子を見る限り怪我はなさそうだ、私はホッと息をつく。

「おかえりなさい」

そう告げた私に、彼は悲しげな微笑みを返した。
凄く悲しげな微笑みにどうしてそんな顔をするのかと疑問を覚えていると、もう一人のマリオはマリオに向かって頭を下げた。びっくりしたのかマリオは慌てて顔を上げてと言う。一体どうしたのだろうか。

「やめて下さい。きっと、貴方のせいではないから」

そういうマリオにもう一人のマリオは優しく微笑みかけた。私には分からなかったが、シルクはハッとした顔をして天使を見た。天使は苦笑いをして頷きもう一人のマリオに頷く。もう一人のマリオはそれを見て、そうかと微笑んだ。

一体全体なんの話なんだろう。ルイージも分からないようで、もう一人のルイージと目を合わせては苦笑されている。
その瞬間、真後ろで大きな音が響いた。
後ろを振り向くとディメーンが黒魔女の首根っこを押さえつけていた。状況は優勢らしい。
皆が安堵した途端ディメーンの周りに黒い手が無数に生えてくる。状況を判断したもう一人のルイージが、すかさず銃を構え黒い手を撃ち抜いた。
黒魔女が舌打ちした瞬間ディメーンが首から手を離し後ろに下がる。よく見ると..先程までディメーンがいた所に数本の棘が生えていた。後ろに下がっていなければ今頃串刺しだったのだろう。

「っ……」

「ふん…もう終わりか?道化師よ」

舌打ちをするディメーンに黒魔女が笑いかけた。万事休すか。そう誰もが思った次の瞬間、彼女が口を開いた。

「メディ、もう終わりにしよう」

その声にディメーンがこちらを向いて目を見開いた。大して口を開いた天使は悲しげな表情で続ける。

「もう、決心はついてるんだろ?」

その言葉にディメーンが固まる。何故だろう、とても、とても言葉には言い表せないようななんとも言えない顔を浮かべている。

「もう、終わりだ、終わりにしよう」

もう一人のマリオとルイージもそれぞれディメーンから顔を背けては黒魔女を睨んでいる。

「その聖なる力で、彼女ごと消し去れ」

冷たい口調で、彼女はそう告げた。

 

 

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「分かってるよ、そんなの」

皆に聞こえない声で、オレは呟く。あぁ、分かってるよ、分かってるんだ。でも、出来ない。天使が言うには勿論、聖なる魔法で邪悪な心だけが消える可能性は大いにある。

だが、彼女の心ごと消えないとは限らない。

でもそうするしかないのは分かってるんだ、分かってる。まだ時間が欲しかった。
もう一度、彼女と笑い合いたかった。けどもう、無理なのだろう。ならば、それならばせめて……………。

 

「妖艶なる黒魔女に、永久なる眠りを」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


呟いた、彼がそう呟いた。
彼の地面に敷かれる光り輝く魔法陣。
やっと私を解放してくれるのね。
何処の誰かも思い出せない貴方。
きっと私は貴方を知っているし、
貴方も私を知っているのでしょう。
あぁ、もう本当の姿も、
何もかもが思い出せない。
私を呼ぶ柔らかなあの声も
もう忘れてしまったの。
もう何も聞こえないのよ。
お願い、この夜が明ける前に。


わたしに、とわなる…ねむりを……。