ルイージの小説外伝 ROUTE1 ・・
「…やっぱりなんでもない…」
「そうかい?」
ルイージは私に向こうに避難しておくように言うとシルヴィの手助けに行った。
『…本当にそれで良かったのかい?』
「!?」
不意に声が聞こえてきた、誰のものかは分からない、女の子の声。私が振り向いた次の瞬間、後ろからルイージの叫び声が聞こえた。振り向く私、後ろで『ほら見ろ』と言う女の子の声、目の前に広がる鮮血、血、血、血、ルイージの前にセルヴィが盾になっていて、そのセルヴィのハラワタにはカゲの女王の手が刺さっている、ハラワタから出る血は凄い量でカゲの女王が手を抜くともっと流れ出し出血多量の域を超えていた。周りから聞こえるルイージ、ルーニャの悲鳴とシルヴィの怒りと涙の混じった叫び声。
「あんた…よくもっ!?」
「レイっ!行くよ!」
ライとレイが憤怒の声を上げてカゲの女王に挑んでいく。
「がっっ!?」
「愚かな…」
「ライ!?」
ライがカゲの女王に捕まってレイがライを助けに行こうとする。
「やだ…やだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだ!!!!まだ消えたくないぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」
ライは泣き叫ぶが間も無くカゲの女王に握り潰された。
「ライ…いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
レイは泣き叫んで生気を失ったかの様に目は虚ろになり、レイもカゲの女王に握り潰され消えた。こうやって三つの生命は砕け散った、皆放心状態で叫び声さえ聞こえなかった、あのシロスケでさえ目を見開きただただ怒り狂っていた。
『これが君の望んだ結末かい?』
「…ちが…」
「スピネルっ!!」
女の子の声が聞こえ私は否定する、そしてルイージに呼ばれた、気付いた時には遅く私の目の前には…
「スゥちゃん…ごめんね」
「…な…んで…」
間も無くシルヴィは私の目の前でカゲの女王に取り込まれ、カゲの女王は完全復活を遂げた…
「シ…ル…」
私は何もできずただただ呆然としていた、涙さえ出なかった。シルヴィを取り込んだカゲの女王は次々と皆を殺していく、とうとうルイージも殺された、残りは私とそして、
『なぁ、これはあんたが望んだENDなわけ?』
白い服に白いマフラー、白い天使の羽に白い包帯と白いショートヘアの髪の毛、そして黒ずんだ黄色い天使の輪っかを頭に付け、目に黒い傷を負う女の子。
「あなたは…一体…?」
『………僕はチビ・ゆきだ』
「チビ…?」
『あぁ、スピネル?君はこんな結末でいいのかい?』
「…」
『仲間も皆死んだ、明日も見えない…そんな世界は嫌だろう?」
「…いや…だよ…」
『なら僕に願え、全ての魔力を僕に注ぐほどの願いを僕にかけてごらん?』
「願い…を?」
『そうだよ…さぁ、手を取って?』
私は女の子の手を取り目を瞑り、願いに魔力を込めて行く、女の子は目を開くとこう言った。
『さぁ、365回目の分岐点まで戻ろうじゃないか?』
Bad End
Bad Endテーマ曲『MAGIA』
366回目のループなんかさせない…必ず成功させてみせる。